実りの秋

2020年10月16日

日増しに秋も深まり、朝夕は寒ささえ感じる頃となりました。

 

先日、お檀家さんから新米を頂いたので、天気の良い日に三日間境内で籾米を天日干しをしました。

籾米を乾燥させた後、精米機で白米にしました。自分で精米作業をしたので愛情たっぷりで、いつもより美味しく新米をいただきました。食べ過ぎに気をつけなければ・・・

もちろん新米は本尊観音様にお供えをしました。喜んでおられるかと思います。

お供えされた新米は、明後日の観音縁日【10月18日(日)10時】にお参りされた方にお裾分けする予定です。

 

普段何気なく食事をとっていますが、その食べ物一つ一つに手間暇がかかっており、生産者の努力と愛情が垣間見えるのです。改めて食事を頂くということに対して感謝をしなければと感じました。

 

ちなみに天台宗では一般の人でも食事の前後に『斎食儀』(さいじきぎ)という短いお経を唱えます。

この『斎食儀』は高祖天台大師智顗の説かれた『観心食法(かんじんじきほう)』をわかりやすくしたものです。

食前観 (いただきます)

「われいまさいわいに、仏祖ぶっそ加護かご衆生しゅじょう恩恵おんけいによってこのきよしょくく。
つつしんでしょく来由らいゆをたずねてあじ濃淡のうたんわず、その功徳くどくねんじてしな多少たしょうえらばじ。
「いただきます」

「私たちは幸いにして仏様やご先祖様たちのお力添えや、生きとし生ける者達の恩恵によって食事を頂いています。私たちはこの食事に誠実に向き合い、味の濃さ薄さなど自分勝手に問うことなく、食べ物を選り好みせず、仏様の功徳を心の中で想い描きながら食事を頂戴します。いただきます。」

 

 

食後観 ごちそうさま

「われいまこのきよしょくおわわりて、こころゆたかにちからつ。
ねがわくはこの心身しんしんささげておのわざにいそしみ、ちかって四恩しおんむくたてまつらん。
「ごちそうさまでした」

 

「私たちは幸いにして「清らかな食事」をいただくことができました。この食事のお陰で心身ともに豊かになり、生きる力を蓄えることができました。

四恩(父母の恩、国家の恩、衆生の恩、仏法僧の三宝の恩)に感謝の心を忘れず、仏様を信仰し、日々の暮らしが実り豊かになるよう精進を重ねていきます。ごちそうさまでした。」

 

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